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2014年12月27日

button_15.jpg  VUCAワールドを勝ち抜くために経営者は何をするべきか?

ITmedia エンタープライズ 12月15日(月)

 最近、VUCAワールドという言葉が経営者の間で話題に上ることが増えてきている。例えばユニリーバの最新のアニュアルレポートにおいて、同社CEOのPaul Polman氏は冒頭のコメントで、市場の現状を「VUCAワールド」だと言及している。そして、この「VUCAワールド」にいかに対応していけるかが成長のカギであると語っている。

 VUCAワールドとは、元々は軍事用語であるが、Volatility,Uncertainty,Complexity, Ambiguity の4 つの単語の頭文字から取ったものだ。つまり、不安定で変化が激しく(Volatility)、先が読めず不確実性が高い(Uncertainty)、かつ複雑で(Complexity) 曖昧模糊とした(Ambiguity) 世の中、ということである。ビジネスの世界では、企業を取り巻く市場環境が不安定で不確実、かつ複雑で曖昧模糊な混沌とした状況である、ということを指している。

 実際、企業を取り巻く環境は10年前とは大きく変わっている。10年前2000年代前半ですら、インターネットの急速な普及や情報技術の進展により、その前の10年間とは時代が大きく変わったと言われていたものだが(90年代の後半から2000年にかけて、IT革命やニューエコノミーなど、経済や産業の構造的変化が声高に叫ばれた)、この10年間の変化は更にスピードを速めている。

● 有望ビジネスモデルも市場もすぐに成熟化、陳腐化

 例えば、優れたビジネスモデルを実現できたとしても、その効力は長続きせず、短期間でその優位性が揺らいでしまう。アップルやサムスンの業績に変調が見られるのはその典型例だろう。日本でも、液晶で一世を風靡したシャープやSNSの先駆け的存在であったミクシィの例がそれを物語っている。

 また、有望だと思われた市場も、短期間で成熟化し、あっという間に競争が激化していわゆる“レッドオーシャン” 化する。スマートフォンや液晶テレビ市場などが一例だ。成長著しい新興国市場も、気付けば名だたるグローバル企業の多くが参戦し、ローカル企業と熾烈な争いを繰り広げている。出遅れた日本企業が苦戦するケースが後を絶たない。

● 変化が激しく、先を見通せない市場環境

 市場そのものに目を転じてみても、変化が激しく先を見通せないばかりか、複雑さと曖昧さは増すばかりだ。BRICS やNEXT11 などに代表される新興国市場は、もちろん現在でもそのポテンシャルに疑いはないものの、その成長は単調な右肩上がりではない。中国はかつてほどの成長性は見られず、代わって期待の集まる東南アジアを見ても、例えば東南アジア最多の人口を抱えるインドネシアにおいても、最近は成長が鈍化している。

 グローバル規模で増えつつある地政学上のリスクも、不確実性や複雑性を加速させている。冷戦の終結を経ていったんは落ち着いたかに見えた世界の枠組みだったが、その後米国の影響力や地位の相対的な低下などによって、再び不確実性が増している。ウクライナや中東における武力衝突、アラブ諸国の政情不安などはその代表例だろう。アジアに目を向けても、中国による東シナ海への影響力の拡大とそれに伴う周辺国との軋轢が発生し、日本も中国や韓国、ロシアと領土問題などを抱えている。

 特に中国に関しては、数年前までは中国市場の有望性が盛んに喧伝されていたものの、尖閣諸島をめぐる問題を契機に両国の関係が冷え込んだことに加え、中国の経済成長に陰りが見えてきたこともあいまって、中国市場に対する慎重論も増えてきている。

 疫学的なリスクも依然存在する。最近の事例を振り返ってみても、SARSや鳥インフルエンザなどの流行がビジネスに大きな影響を与えてきた。現在も、まだグローバルの経済への影響は限定的だが、西アフリカでのエボラ出血熱の流行が注目されている。

● 連鎖して複雑さを増すグローバル経済

 グローバルの経済が互いに深く連鎖して、その関係性が複雑化していることも見逃せない。いわゆるリーマンショックで、多くの方がその結びつきの複雑さや強さを実感したことだろう。現在の市場環境においては、一国の市場での出来事が、その国の市場にだけ影響する、ということは皆無に等しい。多かれ少なかれ、それはグローバルで各国の市場に何らかの影響を与える。

 しかし、各国の市場でどういった影響が起こるのかを、事前に予測することは極めて困難だ。貿易や投資、更には様々な企業活動を通じて複雑に絡み合った現在のグローバル環境においては、一国の出来事がどのように世界各国の市場に影響を与えるのかを分析しきることは、ほぼ不可能に近いといってもよい。

 例えば、リーマンショックのきっかけとなったサブプライム問題は、当初は日本国内においてはそれほど注目されていなかった。アメリカ国内の問題に過ぎないという見方が(一部を除けば) 大勢だった。しかし、実際にはサブプライムローン債権は証券化されて世界中で販売されており、その影響は世界に広がっていた。

 サブプライム問題の例のように、現在の市場環境においては、企業は意識せずともグローバル市場と深く関わっており、「風が吹けば桶屋が儲かる」的な影響の連鎖から逃れることはできない。一方でその影響の連鎖を事前に予見することも極めて困難なのである。

● 未知なる市場環境との遭遇

 不確実性や複雑さを更に加速化する要因が、超高齢化や人口減少、異常気象などの問題だ。特に日本は、世界の先陣を切って超高齢化社会と人口減少を経験することになる。極端に言えば、かつて人類があまり経験したことのない状況である。こうした問題は、日本だけではなくいずれ多くの先進諸国が経験することになる。これまで人口が増加することを前提とした経済構造の中で企業は経営してきたが、これからの市場環境はまさに企業にとって“未知との遭遇” であろう。

 地球環境の変化も、また別の意味で“未知との遭遇” である。50年に一度、100年に一度、数百年に一度といった自然災害や異常気象の増加も、企業にとっては予見できない、しかしインパクトの大きなファクターである。

 地球資源の消費に対する価値観の変化も、これまでに人類があまり経験してこなかったものだ。これまで人類は、地球上の資源を消費することで命をつなぎ、進化を遂げてきた。しかし、人口の急速な増加や文明の進化によって、人類が過去から何百年、何千年、何万年と営み続けてきた「消費」という概念が転換を迫られている。様々な形で多くの天然資源を消費している企業にとっても、それはまさに大きな転換点となる。

● 加速化するイノベーション

 次々と生まれる様々なイノベーションも、VUCAワールドを加速化させる要因のひとつとして無視できない。特に情報通信技術の影響は、もはや全産業、全業種、全企業にとって避けて通ることのできないものだ。

 例えば最近では、自動車業界において自動運転に関わる技術革新が急速に進んでいる。数年前まではまだまだ遠い未来の話と考えられていた自動運転だが、すぐ目の前の近い将来に実現するのではないかと思わせるほど、その技術レベルは急速に進展している。そして、自動運転技術が急速に進化している要因のひとつとして、異業種からの参入が無視できないことも、留意しなくてはならない。従来の自動車メーカーや自動車部品メーカーはもちろんのこと、グーグルのようなIT系のプレーヤーまでもが自動運転を研究し、実用化に近い段階までこぎつけている。つまり、情報通信技術の発展によって、従来の“業界の区分” を超えた競争が巻き起こっているのだ。

 更に情報通信技術の発展は、ビジネスモデルそのもののイノベーションにもつながる。例えばもともとは大手メーカーの独壇場だったスマートフォン市場だが、現在では「格安スマホ」と呼ばれる低価格のスマートフォンを販売する中小メーカーが多数台頭してきている。日本においても、わずか社員二人のメーカーが1万円台の低価格スマホを販売して話題となっている。

 伝統的な産業においてもこうしたイノベーションは無視できない。GEの航空機エンジン事業などは好例だ。GEの航空機エンジン事業は、エンジン販売により収益を上げる従来のビジネスモデルから脱却し、エンジンに取り付けられた各種センサーから得られる情報に基づき、航空会社に効果的・効率的なメンテナンスのタイミングや燃費の良い運航ルートをアドバイスするなど、いわゆるソリューション型のビジネスモデルへと進化している。

 ドイツ政府が産官学のタッグでものづくり革命を実現しようとしている「インダストリー4.0」も、情報通信技術をフルに活用した取り組みだ。ものづくりという視点からは、3Dプリンターの普及やロボット技術の高度化、IOT ( Internet of Things) の活用など、情報通信技術の進化は様々なインパクトが期待されている。

 情報通信技術などによるイノベーションは、決して製造業や製造現場に留まるものではない。ビッグデータの活用などは、小売業やサービス業、医療、農業、更には官公庁などでも進んでいるし、それによって新たなビジネスモデルの萌芽も多数出てきている。

 情報通信技術以外にも、例えば素材の進化など、技術進化によるイノベーションの例は枚挙に暇がない。炭素繊維は、軽量かつ強固というその特性から最近では自動車や航空機などに採用され、燃費の向上に一役買っている。ユニクロが機能性を前面に出した戦略でグローバル化を推し進めているが、これも素材の進化によるところが少なくない。

 このように、技術進化を契機としたイノベーション( もちろん、イノベーションには技術進化とは関係のないものもある) の影響力の大きさは誰しもが認めるところであるが、その問題は、今後どういったイノベーションが実現し、それが市場環境にどういった影響を及ぼすのか、事前に予見することが困難ということだ。イノベーションの芽は、実は様々なところに転がっている。それが実際にイノベーションとなり、ビジネスを変革していく大きなうねりとまでなるかどうかは、極めて不確実だし、予見できないものだ。また、イノベーションが当初想定したインパクト以上の影響をもたらす可能性もある。このように、加速化するイノベーションもVUCAワールドの要因のひとつだと言えよう。

2、こうした市場環境で成功していくためには、何が必要か

 では、こうしたVUCAワールドで成功していくためには、何が必要なのだろうか。本稿では、VUCAワールドで勝ち抜いていくための5 つの要件を提示する。(図B参照)

・要件(1)確固たるビジョンやシナリオを持つ

 VUCAワールドである現在の世の中では、将来を正確に見通すことは困難であることは疑いようのないことだ。一方で、それは企業として将来に向けたビジョンやシナリオを持たなくて良い、ということと同義ではない。

 VUCAワールドにおいても優れた業績を上げている企業は、ほぼ例外なく明確なビジョンやシナリオを描いている。ここで大切なことは、いかに正確かつ精緻に将来を見通すか、ということではない。VUCAワールドにおいては、いくら人とお金と叡智をつぎ込んでも、将来を正確に予測することなどできない。そうではなく、企業として自社が今後どうありたいのか、あるいは自社の考える理想的な世の中や市場、事業のあり方とはどういうものなのか、今後どういった世の中になっていくべきなのか、という自社なりの“絵姿” を描いておくということだ。

 例えばフォルクスワーゲンでは、将来の自動車を取り巻く環境やユーザーニーズを予測し、その中で自社がどういった製品を開発していくべきか、シナリオを作成している。そしてそのシナリオに基づいて、研究開発のテーマや優先順位を決めていくとともに、サプライヤーともシナリオを共有化し、その実現に向けた舵取りをしている。

 一方で、GEのように、シェアトップを取りうる事業を展開していくことを戦略の根本におき、目まぐるしく変わる市場環境の中で常に事業ポートフォリオを見直し入れ替えることによってVUCAワールドに対応している例もある。GEはジャック・ウェルチ前会長の時代からその戦略は有名だったが、現在もその基本戦略は変わっておらず、後任のジェフ・イメルト氏が会長に就任後も絶え間なく事業ポートフォリオを入れ替え続けている。一時期は金融業の比重が高まった時期もあったが、現在では製造業に回帰しつつある。更に、創業当時からの事業である白物家電事業についても、売却することを決定した。

 不確実な市場環境の中、自らのビジョンをシナリオ化して周囲も巻き込みつつ実現を目指すフォルクスワーゲンと、市場環境の変化に応じて事業そのものを入れ替えるGE。両社のアプローチは対照的とも言えるが、いずれも自社として将来の見通しや指針を明確に持っている点は共通する。GEの場合でも、今後のグローバル市場においてインフラや医療、航空機関連市場は大きく伸びるという将来に対する自社なりの見通しを持った上で、事業ポートフォリオの見直し、入れ替えを進めている。フォルクスワーゲンのように、より能動的にシナリオ実現を目指すにせよ、GEのように将来を見通したうえで自社の事業を変革していくにせよ、自社なりの将来に対するビジョンやシナリオを明確にしておくことは欠かせない。

・要件(2)走りながら考え、こまめに軌道修正する(トライ&エラー)

 自動車や素材産業のように中長期的な研究開発が事業の成功要因として大きな割合を占めるような業界であれば、ある程度時間とリソースをかけて将来のビジョンやシナリオを策定していくことには意味がある。一方で、例えば消費財やサービス業のように、相対的に研究開発の占める比重が小さく、参入障壁も低くより競争環境が目まぐるしく変化するような業界においては、将来のビジョンやシナリオの策定に必要以上に手間を掛けてもその効果は限定的だ。検討を進めている間に市場環境は刻一刻と変化してしまうからだ。もちろん、自動車業界においてもIT化のますますの進展によって、変化のスピードは速くなっている。

 こうした状況においては、時間とリソースを掛けて精度の高いシナリオや戦略を構築することよりも、粗粗でもいいので大雑把なシナリオや戦略をスピーディーにつくり、いかに迅速にそれを実行していくか、ということが大切になる。そして、その結果を見てシナリオや戦略が間違っていると考えれば、素早く軌道修正を図る。つまり、“走りながら考える” “こまめに軌道修正する” ということが求められる。

 例えば、近年の日本のエレクトロニクス業界の勝ち負けを見ると、その大切さが理解できる。日立製作所は2009年3月期に国内の製造業としては過去最大の7,873億円の赤字に陥った。しかしその後、電力や鉄道などの社会インフラ事業に集中し、関連性の薄い事業は売却するなど再建策を迅速に実行、2年後には黒字転換を果たした。一方ソニーは、テレビ事業を筆頭に過去に収益を上げてきたエレクトロニクス事業で収益性の低下に長年直面してきたものの、有効な一手を打てず、依然業績は低迷を続けている。ようやくパソコン事業は切り離したものの、テレビ、スマートフォン、デジカメ、ゲームなど主要事業ではいずれも厳しい状況が続いているにもかかわらず、抜本的な改革は手付かずのままだ。

 他にも、ソフトバンクやファーストリテイリング、サントリーなど、周囲から見ると一見“無謀” とも思えるような打ち手を矢継ぎ早に打ち、上手くいかなければ軌道修正する、という姿勢を鮮明に打ち出している企業のほうが、全般的に業績がよい。VUCAワールドにおいては、考えているよりも実際にやってみて、そこから学んでいくことのほうが大切である。もちろん、失敗することもある。ファーストリテイリングも、海外展開で何度も失敗を経験してきているが、その経験を次に活かし軌道修正し再度トライすることによって、次第に成功への道筋を見出し始めている。つまり、VUCAワールドではトライ&エラーこそが成功のカギを握ると言える。

 とりあえずやってみた上で、当初想定したように成功しなかった場合には、そこから学んで軌道修正することが大切だ。キリンは過去数年、いくつかの海外企業の大型買収を実行したものの、残念ながらこれまでのところ十分な効果があったとは言えない。しかし、現状ではその失敗から学んで次の一手を打てているようには見えない。VUCAワールドでは「とりあえずやってみる」ことは非常に大切だ。キリンは、日本の内需系企業の中では早くから積極的に海外企業の買収に取り組んだ点は評価されるべきであるが、思うように結果が出ていない現状から学び、スピーディーに軌道修正していくことが必要とされているのではないか。

・要件(3)複数の「ネタ」を持つ 〜事業の「複線化」

 VUCAワールドでは、一時代を築いたような事業であっても、すぐに陳腐化するリスクがある。また、国家情勢の変化によって、将来性の高い国の市場が急激にリスクの高い市場となってしまうこともある。

 こうした市場環境においては、「一本足打法」は極めてリスクが高い。リスクを軽減し、不確実な変化に対応するためには、常に複数の「ネタ」を持っておくことが大切だ。複数の「ネタ」を持つというと、事業を複数持ってポートフォリオ経営をする、ということが思い浮かぶかもしれない。しかし、ここで言う「複数のネタを持つ」ということは、必ずしも複数の事業を持つということではない。

 もちろん、異なる領域の事業を複数持つことは、リスクを低減するひとつの有効な方法である。商社のように、資源や機械、素材、消費財など、様々な事業をポートフォリオとして展開していくことは、ひとつの解決策である。GEなどのメーカーが複数の事業領域を展開していることも同様だ。

 ただし、それは資源の分散を招きかねないし、総花的な事業展開による負の効果は、これまで多くの日本企業が苦しまされてきたものでもある。では、効果的に「複数のネタ」を持つにはどうすればいいか。例えば、日本電産のように、「モーター」という事業領域に特化するものの、多様な用途のモーターを製品ポートフォリオとして保有する、ということが考えられる。従来収益の柱であったパソコン用のモーター市場が陰りを見せても、今度は自動車やロボットなど新たな用途の製品を拡充していくことによって、市場の変化に対応している。

 展開する地域や国を多様化していくことも、リスク低減につながる。またH&Mのように、同じアパレル事業であっても価格帯の異なるブランドを複数展開するのもひとつの方法だ。H&Mは、日本でもすっかりお馴染みとなった低価格のファストファッションブランドであるH&M以外にも、高価格路線のCOSも持つ。同社は日本においてもCOSを展開することを決めたが、これは日本市場においてファストファッションブームがひと段落し、今後は価格が高くてもより高品質で上質なものを求める消費者が増える可能性がある、という読みがその背景にある。

 このように、必ずしも複数の事業領域の事業を展開せずとも、工夫次第で複数の「ネタ」を効率的、効果的に展開することが可能だ。VUCAワールドでは、予期できない変化に対応する上でも、事業を「複線化」しておくことがひとつのカギとなる。

・要件(4)ゲームの“ルールメーカー” になる

 新たな市場を創出して自らがルールメーカーになったり、あるいは自身のビジョンやシナリオの実現に巻き込んでいく、ということも大切なことだ。VUCAワールドでは先にルールメイクを主導してしまった企業が圧倒的に有利になる。常に先の読めない市場環境では、どんな企業にも主導権を握るチャンスがある。

 先に紹介したフォルクスワーゲンはその好例だ。自社が描いたビジョン、シナリオに関係各社を巻き込み、その実現をより確実なものにしていく手法を取っている。ボッシュなど大手サプライヤーも同様に、自社のシナリオを元に自動車メーカー各社と議論を重ね、自動車メーカー各社の戦略に影響を与えている。

 アップルがiTunes とiPodで構築し、その後iPadやiPhoneで拡大してきた、ハードとソフト(音楽やアプリケーションのダウンロードサービス) を融合したビジネスモデルなども典型例だ。このモデルはその後グーグルが追随し、今ではグローバルではグーグルの主導するアンドロイドのほうがシェアを高めている。

 また、格安スマホのシェア拡大の背後にも、同様の構図が存在する。今や格安スマホは、業界経験のない企業であっても容易に参入できる。中国では「靴屋でもスマホメーカーになれる」と言われるほどだ。それを実現したのが台湾のメディアテックだ。同社は、スマホの頭脳となるシステムLSIの大手メーカーで、他社特許の活用、半導体受託生産企業との連携などによってスマホ製造コストを大幅に引き下げるとともに、スマホの“設計図” もセットで提供している。これによって、異業種企業でも簡単に格安スマホをつくれるようになった。メディアテックは、スマホ業界のゲームのルールを大きく変えたのである。これによって、アップルやサムスンなど、従来からのスマホの有力プレーヤーの業績が圧迫されつつある。

・要件(5)“自己否定” を厭わない、常にイノベーションを追及する

 自社の成功体験や現状に安住しないことも大切だ。VUCAワールドでは、いつ何時市場環境、競争環境が変わるかわからない。今日の成功モデルが明日以降も成長を実現してくれる保障はどこにもないのだ。

 先の事例でもあげたように、スマホ業界はまさにその典型例だろう。磐石と思われたアップルがサムスンの急追を受けてシェアを逆転され、更に格安スマホの台頭によってそのサムスンすら業績に変調を来たし始めている。初代iPhoneが発表されたのが2007 年1月。それからわずか7年で、業界の構図は大きく変わってしまった。

 航空業界も同様だ。かつてはアジアの雄として隆盛を誇ったシンガポール航空だが、近年は格安航空会社(LCC) との競争が激化すると同時に、エミレーツをはじめとする中東系の航空会社との競争にもさらされ、収益性が大きく低下している。シンガポール航空も、シートやサービスの改良によって収益源である上級クラス(ファーストクラス、ビジネスクラス) の顧客囲い込みを強化してはいるものの、必ずしもその先行きは楽観できない。LCCですら、競争の激化によって収益性は悪化する傾向にある。

 このように、かつては確固たるポジションを築き磐石の強さを誇る企業であっても、短期間のうちにそのビジネスモデルや製品が陳腐化し、急速にシェアを失ったり収益性を低下させたりするリスクに常にさらされている。こうしたリスクに対応すべく、企業は常に自社のビジネスに危機感を持ち、いつ何時優位性を失うかもしれないということを肝に命ずるべきだ。常に“自己否定”を厭わないこと、そして常にイノベーションの可能性を追求し続けることが大切と言える。

3、VUCAワールドで勝つために経営者がすべきこと

 こうした状況において、これからの経営者は何をすべきだろうか。最後に、日本企業の経営者が、先にあげた5つのポイントを実現する上で、今後取り組むべき9つのアクションを提言したい。(図C参照)

・アクション(1)現状に“懐疑的” であり続ける

 まず大切なことは、常に現状に対して疑問を持って物事を見る、ということだ。全てを否定する必要はないが、現状の戦略、既存事業、オペレーションや組織のあり方など、自社の“常識”となっていることが本当にそのままでいいのか、常に疑いの目を持って見ることが大切となる。

 どこかにまだまだ改善、改革すべきことがあるのではないか、本当に今のやり方がベストなのか。今の自社の優位性は、本当にこれからも継続するものなのか。例え自社の成功体験に基づくものであったとしても、あえて疑ってかかって見る。そうすることによって、イノベーションの可能性も開けてくる。

 そのためには、自問自答することももちろん大切だが、より重要なことは、事業の責任者や担当者に対して、経営者が常に疑問、質問を投げかけ続けることだ。質疑応答を繰り返す中から、新たな“発見” があることも少なくない。独立性の高い社外取締役を採用して、社外の目から客観的に疑問を投げかけ続けてもらうことも有効だろう。

・アクション(2)“未来” “将来像” を描く

 そして、将来を見通す努力を続けることも欠かせない。2〜3年先だけではなく、10年先、20年先を見通し、どのような社会であるべきなのか、その時に自社はどういった存在意義を持った企業としてあるべきなのか、そのためにはどういった事業を展開しているべきなのか、どういった商品やサービスが求められるのか。将来のビジョンやシナリオを描くことが重要だ。

 もちろんVUCAワールドにおいて将来を正確に見通すことはできないが、一方で高齢化や世界経済の多極化、新興市場の台頭、環境問題などといったメガトレンドは、明らかに現実化し、将来にわたって大きなインパクトをもたらすものでもある。日本国内で考えてみても、人手不足は今後慢性的な問題となりえ、これまで人手に依存してきたビジネスは省力化などの対応を必ず迫られる。そうした“メガトレンド” は押さえた上で、自分なりの将来の見通しをしっかりと持っておきたい。大切なことは、それが“正解であるかどうか” ではない。自分なりの“将来像” を持っているかどうか、である。

・アクション(3)“技術革新のインパクト” を徹底的に考え抜く

 “未来” を見通していく上で無視できない要素が、技術革新だ。技術革新は、新たなビジネスを生み出すことはもちろん、ビジネスモデルやバリューチェーンを変革し、組織や経営管理のあり方をも変えていくインパクトを持つ。自社のビジネスにおいて、技術革新がどのような影響を持ちうるのか、あるいは技術革新によって、自社にどういった新たなビジネスチャンスが生まれるのか、徹底的に考え抜くことが欠かせない。

 いまや技術革新に無縁でいられるビジネスなど存在しない。インターネットはもちろん、ロボットや自動化技術、ビッグデータ、新たなハードウェアやアプリケーションなどが次々と誕生し、ビジネスのあらゆる面にそのインパクトは及ぶ。

・アクション(4)組織に“遊び” をつくる

 将来を見通したり、技術革新のインパクトを考えたりすることは、決して一人や少数の人間だけでできるものではない。もちろん、卓越した先見性を持つトップが鋭い洞察力で将来図を描いていくケースがないわけではない。しかし、それは極めて稀なことだ。多くの場合は、限られた人間の知恵や想像力では限界がある。

 そこで活用すべきなのが、組織の力である。つまり、社員たちの気付きや想像力を最大限に活用することだ。イノベーティブなアイデアで急速に業容を拡大してきたグーグルのマネジメントも、本当に破壊的なイノベーションはトップダウンでは生まれない、と言明している。彼らに言わせると、それはむしろ農業に近く、経営者の役割は現場でイノベーションのアイデアが生まれるように土壌を耕し、よい芽が出たら見逃さずに育てることだという。

 そのためには、組織を硬直化し過ぎないことが必要だ。担当業務や役割が明確に定められ、定められた範囲の業務を粛々とこなせばいいという組織では、イノベーションは生まれない。組織のあり方に、多少の“遊び” を持たせておくことが必要だろう。3Mの「15 パーセントルール」(社員が自分の勤務時間の15%は日々の業務とは無関係なことに使える) は、古典的だがその好例と言える。ガチガチの組織からはイノベーションは生まれない。組織のありようを見直してみることが、ひとつのカギとなろう。

・アクション(5)“異質” を認める、排除しない

 イノベーションを促進する組織であるためには、多様なバックグラウンドを持った人材がいたほうが良い。企業としての価値観など全員が共有すべきことはもちろんあるが、「金太郎飴」のような組織からはイノベーションは生まれづらい。

 性別や年齢、国籍、スキルや経験、考え方など、異なるバックグラウンドの人材でチームをつくることが大切だ。日本企業はとかく均質的な組織であることが多く、異質であることや多様性において、まだまだ十分とは言えない。よく言われることではあるが、今後はいかに「出る杭を伸ばす」ことができるかどうか、が問われてくる。

 もちろん日本企業も変わりつつある。外部からいわゆる「プロ経営者」を採用する例も増えてきている。トップだけではなく、外部から人材を獲得して組織を強化していくことも次第に普通になりつつある。女性活用の機運も高まっているし、積極的に外国人を採用している企業もある。日本企業も少しずつ多様性の獲得に向けて舵を切ってはいるが、問題はそうした多様で異質な人材を使いこなせるかどうか、彼ら・彼女らの力量をフルに発揮できるような環境を整えられるか、という点にある。まさに経営者の手腕の見せどころである。

・アクション(6)組織を“シンプル” にする

 VUCAワールドでは、意思決定や実行の遅れは致命的だ。常に迅速に意思決定し、素早く実行に移す。そしてその結果からフィードバックを得たらすぐに必要な軌道修正を施す。とにかくスピードが大切だ。せっかく有望なビジネスチャンスを見出しても、実行に時間を掛けていればあっという間にそれは有望ではなくなってしまう恐れがある。競合が先に市場を押さえてしまうかもしれないし、ビジネスモデルが陳腐化してしまうかもしれない。とにかく意思決定と実行のスピードを上げることが求められる。多少精度が粗くとも思い切って意思決定し、“走りながら考える” ことが必要だ。

 そのためには、まず経営者が常に意思決定に必要な情報を集め、準備しておくことが欠かせない。経営者が密に現場と接し、感度を高めておくことが大切だ。自ら現場に出向き、接点を持ち続けることも大切だが、一方で現場の責任者や現場の人間から的確な情報がタイムリーに経営者まで届けられるようにしておくことも必要である。そのためには経営者は常に現場とのコミュニケーションを絶やさないようにしなければならない。

 つまり、経営者と現場との距離を縮めることが重要となる。そしてそのためには、組織の構造をシンプルにすることがカギとなる。レポートラインが複雑であったり、組織の階層が複雑であればあるほど、経営者と現場との距離は開き、的確かつ迅速な意思決定を下すための情報が経営者にスピーディーに届きづらくなる。また、実行した結果についても理解が曖昧になり、必要な軌道修正を掛けられない恐れが高まる。

 また、組織としての実行スピードを高めるために、組織をシンプルにすることに加え、責任と権限の持たせ方についてもシンプルかつクリアにしておきたい。責任と権限が複雑に入り組んでいたり、曖昧なままだったりすると、スピーディーな意思決定や実行を阻害する大きな要因となる。日本企業にありがちな、「本社の意思決定が遅いから現地でどうしても勝てない」といった問題は、典型的な事例だ。できる限り組織の構造や責任・権限の持たせ方をシンプルかつ明確にしておくことが、スピーディーな意思決定と実行につながる。

・アクション(7)“専門チーム” “特殊部隊” をつくる

 意思決定や実行のスピードを高めていく方法のひとつとして、“専門チーム” や“特殊部隊” を活用していくことも考えるべきだ。特にこれまでに自社で経験のないことに取り組むような場合には、その領域に経験や知見のある人材を集め、その実行に責任を持つチームを組成することが有効である。

 最近では、消費財メーカーにおいてネット関連のビジネスを加速化するための専門部署を設置したり、あるいはソフトバンクのようにロボット事業を立ち上げるために専門のチームを組成したりするような例が増えつつある。

 イノベーティブな取り組みを実行していく際には、従来の組織の中では実行が難しいことも少なくない。「これをやる」と意思決定したら、既存の組織の中で中途半端にやらせるのではなく、相応のリソースを備えた専門チームを構築して実行に移していくことを考えるべきである。特に技術革新が絡むようなテーマや、自社でこれまであまり扱ったことのないようなテーマに取り組む際には、そもそも既存の組織にはその知見や経験がないことも多い。そこまで極端な例ではなくても、新たな取り組みを進める上で、既存組織の中では様々な成功体験や“常識”、しがらみが邪魔となり、実行に支障を来たすことは少なくない。こうしたことを避けるうえでも、専門チームを組成して短期間での実行を目指すことが大切になる。

・アクション(8)積極的に“外部” を活用する

 自社に経験や知見がないことに挑戦していくことも、今後ますます増えていくだろう。そういうケースでは、より積極的に外部を活用していくことが求められる。また、イノベーションを加速化していくためにも、自社だけで考えるのではなく、他社や専門家の知恵、知見を最大限活用していくことが必要だ。

 例えば自動運転技術は、もはや自動車メーカーが自社単独で開発できるものではない。サプライヤー、IT企業など、多様なプレーヤーが連携して開発を競い合っている。消費財メーカーも、ネット企業や流通企業など、他社との協業を加速化している。最近では、将来有望な技術やビジネスの“タネ” を得るべく、ベンチャー企業に積極的に投資する動きも増えている。

 いずれも、自社だけではイノベーションを起こしたりゲームの“ルールメーカー” になったりすることには限界があるために、積極的に外部を活用したり巻き込んだりする必要性があるということがその背景にある。将来を見通した場合に、どういった技術やノウハウ、知見が必要で、そのためにはどういった組み先とどのように連携していくことが望ましいのか。そうした“外部活用のグランドデザイン” を描いていくことが、経営者の大きな仕事のひとつとなっている。

・アクション(9)“キャッシュカウ” をつくる

 最後に大切なことは、既存事業の収益性を高め、“キャッシュカウ” として十分な利益を創出できるようにしておくことだ。組織に“遊び” を作ったり専門チームを立ち上げたり、あるいは外部を積極的に活用していくためには、どうしても相応の投資が必要となる。そのための“原資” が必要だ。

 既存事業の収益性が低いままでは、そうした“原資” を十分に確保することができない。日本企業では、既存事業の収益性が海外企業と比較して相対的に低いケースが少なくない。そうなると、既存事業の維持に追われてしまい、将来のシナリオの見定めやイノベーションを実現していくために投資することに、どうしても及び腰になりがちとなる。

 それを避けるためには、既存事業の収益性を高めることが欠かせない。低収益性が事実上放置されている事業が少なくないが、収益性が高まる見込みがないのであれば撤退も含む事業の再構築を考えるべきである。あるいは、業界再編を絡めた抜本的な策を考えることも一案だろう。いずれにしても、“キャッシュカウ” となるような事業を確立していなければ、VUCAワールドを乗り越えていくことは難しくなる。今まで以上に事業の収益性に対しては敏感になり、スピーディーに収益性を高めていくことが必要だろう。

● 著者プロフィール
鬼頭孝幸(Takayuki Kito)
ローランド・ベルガー パートナー
東京大学法学部を卒業後、米国系ITコンサルティングファーム、米国系戦略コンサルティングファームを経て、ローランド・ベルガーに参画。
エネルギー、ITを中心に、消費財・流通、金融、その他の業界を含め国内外の幅広いクライアントに対して、成長戦略、事業戦略、事業ポートフォリオマネジメント、営業戦略、M&A、業務改革、営業支援、ITマネジメント、コスト削減、などの豊富なプロジェクト経験を持つ。

(ITmedia エグゼクティブ)
2013年08月21日

button_15.jpg  半導体材料と液晶材料の販売動向

半導体材料の需要の回復は継続
 
足元については半導体材料の回復が続いている。信越半導体(信越化学工業の100%子会社)の300mm の半導体ウエハは足元で稼働率が90%台半ばにまで改善してきているようだ。主にハイエンドなロジックデバイス向けのエピタキシャル・ウエハはほぼフル生産で、主にメモリーデバイス向けのポリッシュト・ウエハは少し余裕がある程度ということであるようだ。日立化成などの半導体用の封止材も緩やかに回復している。一方で、信越化学は9 月以降の需要については需要の調整期を迎える可能性があるようだ。
 
液晶材料はテレビ向けで調整
 
一方、日東電工や東レ、JSR などが生産している液晶材料については中国の液晶テレビ購入時の補助金交付が5 月に終了したことの影響でテレビ向け需要が7〜9 月期は減速する可能性がある。また、中小型向け製品についても、偏光フィルムなどで競争激化の可能性が高まっている。

button_15.jpg  デジカメの出荷・販売動向

デジカメ、台数ベースでは50%弱のマイナス成長
 
CIPA(カメラ映像機器工業会)が13 年8 月1 日に発表した13 年6 月のデジカメの出荷統計によると、デジカメの出荷台数は前年同月比48.5%減の438 万台となった。14 ヶ月連続でマイナス成長となった。地域別では国内が同15.2%減の57 万台、輸出が同51.4%減の381 万台で、欧州が同46.7%減、米州で同58.7%減、アジアが同47.5%減、その他で同64.4%減となった。出荷金額は同36.4%減の864 億円と7 ヶ月連続のマイナス成長となった。国内は同7.0%減、輸出は同39.5%減となった。
 
国内の一眼レフ市場も伸び率は減速
 
一眼の出荷も不振ではあるが、台数ベースで前年同月比28.7%減、金額ベースでは同31.1%減と、落ち込み幅が大きくなってきた。地域別の出荷台数では、日本が同2.5%減と11 ヶ月ぶりのマイナス成長となった。キヤノンマーケティングジャパンの大規模なキャッシュバックキャンペーン「ザ・ゴールドラッシュキャンペーン」が5 月7 日に終了した影響があろうが、金額ベースでは同2.9 増とプラス成長になっている。
 
コンパクトカメラの出荷台数は2003 年4 月以来の低水準
 
市場縮小が続くコンパクトの出荷台数は298 万台となった。前年同月比では、台数ベースで同54.5%減、金額ベースで同43.5%減と、過去2 番目の落ち込みを記録した。コンパクトの出荷台数が300 万台を切ったのは2003 年4 月以来。単価の下落で、金額ベースでは当時の4 割程度に減少している。
 
デジカメ関連メーカー、厳しい決算が相次ぐ
 
13 年4〜6 月期決算でも、デジカメ関連メーカーの業績は厳しい。国内のデジタル一眼レフが好調なキヤノンマーケティングジャパンは例外的に好調だが、キヤノンはデジカメの販売不振と、販売価格の下落を理由に13.12 期の業績予想を大幅に下方修正した。ニコンも同様に14.3 期の業績予想を大幅に下方修正している。コニカミノルタ及びHOYA のデジカメ用レンズも前年同期比で減収となっている。特にHOYA の落ち込みは大きく、収益性も大きく悪化している。富士フイルムホールディングスのデジタルカメラ事業も販売台数は前年同期比で45%減となり、損失が拡大している。

button_15.jpg  2013年5月の日系電子部品世界出荷:、前年同月比17%増、前月比4%増

JEITA(電子情報技術産業協会)によると、2013 年5 月の日本メーカーによる電子部品の世界総出荷額(海外生産分含む)は、前年同月比17%増(前月比4%増)の2,803 億円と、3 カ月連続でのプラスとなった。このうち、
国内需要家向け出荷額は、前年同月比4%減(前月比5%増)の718 億円、海外需要家向け出荷額は、前年同月比25%増(前月比3%増)の2,085 億円であった。(なお、同JEITA による統計は、12 年8 月より集計対象の企業数が数社減ったため、各項目の出荷額の公表値を12 年4 月より遡及修正している。修正の中心は、変換部品のうち、車載向けを中心とした小型モータであり、修正前と比べ、毎月140〜280 億円程度減少している。)
 
日系電子部品世界出荷を主要4 製品別に見ると、(1)コンデンサや抵抗器などを含む「受動部品」が前年同月比18%増(前月比3%増)の1,139 億円、(2)スイッチやコネクタなどを含む「接続部品」が同13%増(同4%増)の767 億円、(3)音響部品や小型モータ、磁気ヘッド、センサなどを含む「変換部品」が同5%増(同4%増)の464 億円、(4)電源部品や高周波部品などを含む「その他の電子部品」が同35%増(同5%増)の432 億円であった。
 
さらに、上述した主要4 製品を構成する全13 品目別に見ると、前年同月比では12 品目が増加し、1 品目が減少(前月比では12 品目が増加し、1 品目が減少)と、4 月の同12 品目の増、1 品目の減(同10 品目の増、3 品目の減)から回復基調が続く結果となった。出荷額が最も大きいコンデンサ(前年同月比16%増収、前月比2%増収の665 億円)を始め、コネクタ(同12%増収、同1%減収の424億円)、スイッチ(同15%増収、同11%増収の332 億円)、電源部品(同26%増収、同4%増収の288 億円)など、売上上位4 品目はいずれも前年同月比で増収となった。
 
日系電子部品企業による世界出荷額は、12 年1 月の2,338 億円をボトムとして、これまで年平均+1%強の緩やかな回復基調が続いてきた。為替相場の円安ドル高進行を背景に、足元の海外向け需要は二桁増収が続くなど、改善基調にあるが、国内需要は依然として低水準に留まり、ここ12 カ月連続で前年比減収基調が続いている。
 
分野別では、自動車、半導体製造装置、産業機器向けでの緩やかな部品需要増は今後期待できるものの、薄型TV やPC、ゲーム機向け需要などは引き続き前年対比での伸長は限定的になると見ている。今後は、ハイエンドスマホ市場での飽和の兆しや、足元の中国・ローエンドスマホ市場の調整など、短期的な減速懸念にも注視が必要である。
 
東日本大震災前の月次水準(3,000 億円前後)からは未だ1 割程度低い水準にあり、楽観視はできない状況が続いている。
2013年08月19日

button_15.jpg  民生用エレクトロニクス業界の2013 年4〜6 月期決算、ソニーの復活シナリオ

テレビ、デジカメ、PC、ゲームといった主要製品の販売台数はまだ縮小が続く可能性が高く、特にソニー、パナソニックといった大手では、力強い成長ストーリーは描きにくい。今期を「守りから攻めに転じる」時期とするソニーではあるが、テレビ、スマートフォンやゲームなどの新製品の業績貢献には、依然、不透明感が強い。シチズンホールディングス、ヤマハなどの製品では、価格が安定しているため円安メリットが素直に増益要因となりやすい。

テレビ、パソコン、携帯電話等の従来型セット製品での業績低迷が続いている。テレビ事業は国内こそ需要の下げ止まり感が出てきたが依然低水準である。また、海外とくに欧州での需要減退の影響が続いており、在庫調整に時間がかかっている。東芝のテレビ事業は、13 年4〜6月期も100 億円の赤字に達した模様で、円安デメリットもあるPC、ビデオ、白物家電も含めると赤字幅は260 億円に上ったと推定される。また、スマートフォン市場では、海外メーカーとのシェア争いの激化、顧客の調達戦略の変更もあり、日系メーカーの業績は厳しさが続いている。NEC は実質的にスマートフォン市場から撤退する方針を明らかにした。

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button_15.jpg  精密機器業界の2013 年4〜6 月期決算、最悪の落ち込みを見せるデジカメ市場

事務機の需要に世界的に改善傾向が見られている。しかし、デジタルカメラについては、市場の状況は依然として厳しい。CIPA(カメラ映像機器工業会)が発表した13 年6 月のデジカメの出荷統計によると、コンパクトの出荷台数は298 万台となった。出荷台数が300 万台を切ったのは2003 年4 月以来。単価の下落で、金額ベースでは当時の4 割程度に減少している。デジタルコンパクトカメラ市場は、10 年間の歴史を逆戻りした感がある。13 年4〜6 月期決算でも、デジカメ関連メーカーの業績は厳しい。
 
国内のデジタル一眼レフが好調なキヤノンマーケティングジャパンは例外的に好調だが、キヤノンはデジカメの販売不振と、販売価格の下落を理由に13.12 期の業績予想を大幅に下方修正した。コニカミノルタ及びHOYA のデジカメ用レンズも前年同期比で減収となっている。特にHOYA の落ち込みは大きく、収益性も大きく悪化している。富士フイルムホールディングスのデジタルカメラ事業も販売台数は前年同期比で45%減となり、損失が拡大している。

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button_15.jpg  電子部品業界の2013 年4〜6 月期決算、IT インフラ関連に注目

スマートフォンの出荷台数に依存するコモディティー部品よりも普及率の増加に遅行して増加するスマートフォン関連インフラ需要(LTE 基地局とデータセンター)の伸びがが今後に期待できる。
 
京セラは、半導体パッケージが無線基地局、データセンターや光通信への売上構成比が高い上に、ファインセラミックスも半導体製造装置と自動車向けに需要の回復感がある。日本特殊陶業は、FC パッケージに対する事業リスクエクスポージャーの大幅削減で、今後2〜3 年間ROE の持続的な改善が見込まれる。中国でのLTE 普及拡大なども期待できる。

button_15.jpg  電機業界の2013 年4〜6 月期決算、事業毎の業績格差が拡大

13 年4〜6 月期決算がほぼ出そろった。不振事業は一段と厳しかった一方で、好調な事業は計画を上回る業績となり、事業によって業績格差が拡大した。
 
13 年4〜6 月期の総合電機5 社集計ベースの売上高は、前期比3.2%増収の5兆9,477 億円、営業利益は同21.7%減益の694 億円、当期損益は同144 億円改善の19 億円の損失となった。円安効果が寄与し売上高は増
収となったが、量産品の低迷が続いた日立、昨年度通信インフラが好調だった反動で減益となったNEC、重電の大口案件の減少や自動車機器事業の開発費負担増などで減益となった三菱電機の3 社が全社ベースでも営業減益となった。
 
従来型セット製品であるPC、テレビ、デジタルカメラ、国内スマートフォン等の厳しさは増しており、日系企業にとっては円安デメリットが加わっている。NEC がスマートフォンからの事実上の撤退を発表、東芝はテレビとパソコン事業の構造改革と組織再編を発表した。これに対して自動車・産機向けの回復が顕著になっている。パワー半導体、汎用マイコン、アナログなど幅広い分野で回復が見られる。中国マクロ景気の減速懸念はあるものの、スマートフォンの大画面化と高精細化に伴うディスプレイ投資、自動車産業における自動化投資等は堅調に推移し、国内市場の回復も期待され、回復は持続する見通しである。
 
円安効果は売上高に既に現れているが、13.3 期末の在庫に13.3 期の高いコストベースのものが残っていたケースもあり、4〜6 月期の利益へのインパクトは比較的小さかった。ただ、7〜9 月期以降は利益にフルに効き始めると見られる。

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回復が遅れていたFA システム事業は回復局面に入っており、今後も着実な回復基調が見込まれる。三菱電機の13 年4〜6 月期のFA システムの受注は前四半期比8%増となり、1〜3 月期の同8%増に続く回復となった。また、産業用向け半導体需要も最終需要の回復に加えて、在庫調整の終了に伴う需要増も寄与していると考えられる。スマートフォン関連の需要の強さが高精細化の続くディスプレイ関連、薄型化による基板のレーザー加工化等の影響が出ている。また、今後はキーコンポーネントであるモバイルDRAM の需要増に伴う半導体設備投資増等の恩恵が徐々に出てくる。
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